Blog

ドクターズ・ファイルに掲載されました――取材でお話しした「つなぐ在宅医療」の中身

2026.10.02 医師コラム

こんにちは。あしやプラスクリニック院長の安積です。

このたび、医療情報サイト「ドクターズ・ファイル」の取材を受け、記事が公開されました。取材は2026年8月、当院の診療方針や地域との連携についてお話ししました。

▶ 記事はこちら:ドクターズ・ファイル|あしやプラスクリニック

記事では限られた字数の中で要点をまとめていただきました。本稿では、日頃お世話になっているケアマネジャー、訪問看護、病院の地域連携室、介護施設の皆さまに向けて、「実際にはどう動いているのか」を少し詳しく補足します。

1.「今を積み重ねる」――悪化させないことを目標に置く

取材で最初にお話ししたのは、当院が大切にしている「今を積み重ねる」という考え方です。在宅で療養される方の多くは、病気を「治しきる」よりも、今の暮らしを続けることが大きな目標になります。だからこそ、訪問のたびに「今日もお変わりないですね」と声をかけられる日を一日でも多くつくることを、診療の軸にしています。

連携先の皆さまにとって、この考え方は次のような形で現れます。

  • 「小さな変化」のご連絡を歓迎します。食事量が少し落ちた、便通が数日ない、いつもより歩きにくそうといった段階でご相談いただくほうが、入院に至らずに済む可能性が高まります。
  • 急な変化には入院調整まで引き受けます。在宅での対応が難しいと判断した場合は、地域の基幹病院と情報を共有し、入院までを当院で調整します。
  • 退院後の療養もご一緒に。入院先から在宅へ戻る際は、病院での決定事項を引き継ぎ、元の暮らしに戻るまでを支えます。

当院は機能強化型在宅療養支援診療所として、24時間の連絡体制を整えています。夜間や休日に「これは連絡すべきか」と迷う場面でも、どうぞ遠慮なくご連絡ください。

2. 多診療科のワンストップ――「どこに相談すればいいか」をなくす

当院の訪問診療には、内科に加え、精神科・皮膚科・耳鼻咽喉科・眼科・整形外科の医師が在籍しています。在宅の患者さんは、一人で複数の課題を抱えていることが少なくありません。そのたびに別の医療機関を探し、情報を一から伝え直すのは、ご家族にも連携先の皆さまにも大きな負担です。

当院では、各科の医師が同じカルテをリアルタイムで共有しています。そのため、例えば次のような場面で、窓口を当院ひとつにまとめられます。

  • 内科で訪問中の方に、不眠や不穏など精神面の変化が見られた
  • 褥瘡や皮膚トラブルで、皮膚科の診察が必要になった
  • 通院が難しく、眼や耳の診察を長く受けていない

こうした場合も、院内で担当医を調整し他科目の診察も検討した上で、専門的な治療が必要な場合は適切な医療機関へご紹介します。精神症状が悪化した際の精神科医療機関へのご紹介も、その一つです。

3.「相手に合わせる」連携――連絡手段を押し付けない

取材で「ICT活用」として紹介いただいた部分は、実は「最新の仕組みを入れている」という話ではありません。皆さまが普段お使いの手段に、当院のほうが合わせる、という考え方です。

事業所ごとに、電話が早いところ、FAXで記録を残したいところ、メールや情報共有ツールを使いたいところと、運用はさまざまです。当院の都合で連絡方法を統一すると、その分だけ皆さまに手間が増え、結果として小さな変化の共有が遅れます。それを避けたいと考えています。

また、当院では医師だけでなく、看護師や訪問コーディネーターを含むスタッフが連絡を受け、必要に応じて医師につなぎます。訪問看護師、ケアマネジャー、薬剤師、介護スタッフの皆さまと「一つのチーム」として動けるよう、窓口の分かりやすさを大切にしています。

ご紹介・ご相談について

訪問診療のご依頼や、「この方は対象になるか」といった事前のご相談をお待ちしています。通院に負担を感じ始めた方、退院を控えた方など、早い段階でお声がけください。

ご紹介の流れやご準備いただきたい情報は、医療関係者向けのページにまとめています。ご相談・ご依頼はお問い合わせフォームからお送りください。

訪問可能な地域は診療エリアをご覧ください。お急ぎの場合はお電話(0797-34-0787/受付 9:00–18:00)でも承ります。

おわりに

取材を通じて、当院の診療は多くの方との連携に支えられていることを改めて感じました。病院と在宅を途切れなくつなぎ、「困ったときにまず声をかけてもらえる窓口」であり続けられるよう努めてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

あしやプラスクリニック  院長 安積 尚杜

ブログ一覧へ戻る